4日目:その④

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7月29日土曜日。
夕飯の時間まで与えられたフリータイム。どうして過ごしていいものやら。
雨もあがったことなので、とりあえずその辺をブラブラ歩いてみることにしました。
メインストリートのドンコイ通りへ。

ホテルやレストラン、オシャレなショップが立ち並ぶ近代的な通りなんですが、いわゆる“客引き”がすごいんです!
それも、欧米人にはそんなにしつこくないのに、私たち日本人観光客だけを狙っているような感じ(`◇´)
お店だけでなく、タクシーですら、キューと急ブレーキを踏みながらすぐ真横まで近づいて来て、人差し指を1本立てて「乗って〜」などと声をかけてきます。
この人差し指1本は、1ドルで行くよ、という意味なのか、1メーター1ドルなのか、それははっきりわからないということです。だから乗る前にはきちんと値段交渉をしてからでないと、タクシーも恐い、と消息通の友人の話でした。


そんなふうだから、ゆっくりウインドウショッピングもできなくて、もう戻ろうとUターンしたその時・・・

「コンニチハ♪○○ホテルにお泊りなんですね」と、流暢な日本語で話しかけてくる男性。
振り返ると、白いYシャツにネクタイ、ブリーフケースを持った、いかにもビジネスマン風の男性。
「ぼくは○○ホテルに勤めていて、きょうは休みなんです」と、実に抵抗感なく話しかけてきます。
実は私たちツアー客は○○ホテルでホーチミンの市内地図をもらって、私はその地図を手に持っていたのですが、その地図を指さして「ボクの勤めているホテルが配っている地図ですね。だからわかりました。お泊りいただいてどうもありがとうございます。」
こんなに丁寧に印象もよく話かけられては無視する訳にはいきません。
こちらもそれなりに丁寧に応対して、話をしながら通りを歩いていました。
まるで以前からの知り合いであるかのように…。
そのせいか、その間は客引きもそんなに声をかけてこなかったような気がします。
そして、その男性、「この辺の場所、わかりますか?○○ホテルはそこの角を右ですね。この通りはドンコイ通り。この辺のお店は高いですよ。市場は行きましたか?ベンタイン市場なら車で10分くらいです。ボクの家はその近くなのでよかったら案内してもいいですよ。ボクはきょうは仕事休みなので…」と、次から次へと話かけてきます。
もしこんな風に、見知らぬ人から話かけられたら、皆さんならどう考えますか?とても親切な人だなあ、と純粋に考えて、案内してもらうのでしょうか?
この男性が、本当に心底親切心から声をかけてきたのだったら、本当に申し訳ないのですが、私たちは疑いました。
そりゃそうですよね。「日本語習っているので、話相手になってください」とかなんとか言って、話しかけてきて、最初は一緒にお茶飲む程度で安心したところで、悪いところへ連れて行かれてお金を全部巻き上げられた、なんて話、よく聞きますもの。
だから、当然私たちも断りました。でも相手の方はそれほどしつこくもなく、実に丁寧な言葉使いの人だったので、私たちも丁寧にお断りしました。
「ご親切にありがとうございます。でも私たちもう行かなければいけないので、ここで失礼します」と言って、彼とは別の道へ歩を進めました。
彼は追ってくることはなかったけれど、何度も私たちのほうを振り返って「そこまっすぐ行くと、○○ホテルの前の道路に出ますから…」と、私たちが道に迷わないか心配そうに教えてくれるのです・・・・・
けっきょく、彼が本当に親切な人だったのか、悪い人だったのかはわかりません。
午前中ベンタイン市場での出来事にしても、ガイドのアンさんはあのように言ってましたが、本当は彼女たちも人懐こく親切なだけだったのかもしれないし…。
海外旅行での被害が増えて、疑ってかからなければ旅行もできなくなっています。
今もその男性のことを思い出すと、果たしてどうだったのか、複雑な心境です。





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